みなさんこんにちは!お久しぶりです。
まだ五月だというのに暑い日が続きますね。体調にはくれぐれもお気を付けくださいね!
さて、きょう紹介するのはこちら!
ダニエル・キイスの『アルジャーノンに花束を』です!
映画化、ドラマ化もされ、日本でも人気のある作品だそう!題名の「アルジャーノン」はなんとネズミの名前だ、ときいて興味を持った僕はさっそく読んでみました!
ひとことでいえば、知能に障害のある主人公が初の人体実験の被験者として知能を向上させる手術・投薬を受け、驚異的なスピードで知能が上がっていく様子を、彼の日記を通して行動と内面の両方から読んでいく物語。
人間が、人間自身の知能を強化することができるようになったとき、その彼は世界をどのように見て、考えるのか。そして、どんな運命が待ち受けているのか…
なんとなく、『ホモ・デウス』を思い出します。
それでは早速参りましょう!
『アルジャーノンに花束を』の登場人物やあらすじ、内容は?
登場人物
主人公 チャーリイ
知能を向上させる手術の初の人体実験被験者である30代の男性。
彼が実験の資料のために残す日記を読者たちは読んでいくことになります。
幼いころから周りの子より知能が劣っていて、母親に「賢くなってほしい」といわれ続けて育った彼は、「利口になりたい」という思いを強く持っています。
パン屋で雑用夫として働きながら、精薄者センターで熱心に勉強をしている彼。実験を打診され、賢くしてもらえることを喜び、被験者となります。
彼の日記で誤字や脱字が減ったり、文が読みやすくなっていったりすることで読者は彼の知能が上がっていくことを知ります。
アルジャーノン
ネズミ。
チャーリイが受ける手術を受け、高い知能を得た実験ネズミです。難しい迷路を解くのが得意で、チャーリイと競争をしても負けません。
キニアン先生(アリス)
チャーリイが通っていた学校の先生で、この実験に参加する彼のサポートをしてくれます。
二―マー教授ら実験団
アルジャーノンとチャーリイに手術を施し、その成果を記録、発表しようとする先生たちです。
あらすじ、内容
知能をあげる手術を受けたチャーリイは、驚異的なスピードで賢くなっていきます。
初めのうちは解くことすらできなかった迷路も、気づけばアルジャーノンよりもはやく解くことができるようになり、日記の文章もどんどん読みやすくなっていきます。
雑役役として働くパン屋さんでも、前任者よりもうまく粉練り機を操って見せるなど、周りの人々を驚かせます(実験のことは一般の人々には秘密)。
しかし、彼が賢くなっていくにつれてパン屋の仲間たちと距離ができ始めます。いつもは笑いあって、友人関係を築けていたのに、少しずつ…
賢くなったらみんなが誇りに思ってくれると信じていた彼にとって、これは苦しいことでした。
さらに、自分の過去を振り返り、ひとに馬鹿にされながら生きてきたということも理解するようになった彼は深く傷つきます。
そのころ、彼はアリスと恋に落ちます。しかし、知能が発達し、本を読んで知識を得ても情緒的な部分の成長が追い付いていない彼は、なかなかうまく事を運べません。
そして知能はアリスを追い抜き、彼女を苦しめます。会話が、楽しいものではなくなってしますのです。
知能はまだまだ上がっていき、手術を施した実験団の先生たちよりも賢くなっていきます。
彼とアルジャーノンは、二―マー教授の実験報告の場に連れていかれます。そこでチャーリイは、彼を人間として扱っていない教授の発言に我慢しきれず、アルジャーノンを連れてそこから脱走します。
アルジャーノンとふたりで暮らし始めたチャーリイは、ある日、アルジャーノンの異変に気付き、自分の知能をもって自身の行く末の予測を始めます…

『アルジャーノンに花束を』の感想は?どうだった?
もうあれですね、泣いちゃいますね(こいついつも泣いてんな)
「賢くなりたい」と願い、懸命に勉強するチャーリイの姿がもう無理ですし、賢くなってみえる世界で抱く様々な人間臭い感情の数々、そして彼を待つ運命などなどもう終始泣きどころ。
数十の言語を理解し、様々な分野でそれぞれのスペシャリストを凌駕するほどの知識を得た彼ですが、感情や情緒の分野となれば話は別。アリスとの恋の行方も大きな見どころです!
これほど人気になったのも納得の作品です。
『アルジャーノンに花束を』読んで何を思った?考察は?
自分であること
チャーリイは、賢くなってほしいという母親の願いを聞いて育ち、手術の力を借りてすさまじい知を手に入れます。もちろん、手術のあとも彼の努力が続いてこその結果です。
しかし、賢くなるにつれて彼の周りには人がいなくなっていくのです。恋心を抱くアリスさえも。
ひとびとはみな、かつて笑い合っていたチャーリイとは別人になってしまったといいます。
それでは彼はどうしたらよかったのでしょう。
母親を喜ばせたくて勉強してきた彼が賢くなってみれば、だれも喜んでくれないし、思いを寄せる女性も苦しめてしまう。
まわりの人がチャーリイにもとめる「彼らしい」姿と、チャーリイが描く自分の理想の姿の隔たり。
自分であるとはどういうことか。どうしたらよかったのでしょうか。
ぼくにはあまりに、辛すぎます。
おわりに
いかがでしたか。
『アルジャーノンに花束を』は日記の形式をとっているため、読者はチャーリイの知能の向上が目に見えてわかるという面白さがあります。
映像化された作品ではどうなっているのか気になるところです!
読んだことのある方、ぜひ感想の共有をさせてください!
シェアやコメントお待ちしております!それでは!
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