泉鏡花『外科室』あらすじ感想 これほど熱い恋をしたことがあるか。

その他日本人作家

みなさんこんにちは。お久しぶりです(笑)

気が付けばもう10月ですね。今年も残るところあと三か月です。サンタさんにおねだりするものはもう決めましたか?

さて、きょう紹介するのはこちら!

泉鏡花『外科室』です!!!!!!!!!!!!!

泉鏡花といえばこれ!という感じ(個人の感想です)の短編小説ですね。

恥ずかしながら、泉鏡花の作品を読むのは今回が初めてでした。知り合いの小説家志望のおじさんがすすめてくれたので読んでみました。

ひとことで言えば、瀕死の伯爵夫人と執刀医の間の、だれにも知られることのない9年にも及ぶ恋の物語。

かつての一目惚れをずっと大切に守ってきたふたりの、切なくも情熱たっぷりの物語です。

初めての泉鏡花作品でしたが、文体も含めてすっかり魅了されてしまいました。

それでは早速参りましょう!

『外科室』登場人物、あらすじ、内容

登場人物

画家です。

画家としての興味から、かつてからの友人である高峰医師の手術の模様を、外科室で見せてもらうことから物語が始まります。

高峰

名高い医者です。

「私」や親族たちが見守る中、伯爵夫人の手術を行います。

伯爵夫人

伯爵の夫人です。

かなり重い病気で、一刻も早く手術が必要という状態。しかし、手術のための麻酔薬を断るのです…

あらすじ、内容

「私」は、かつてからの友人高峰医師による伯爵夫人の手術を見学することになります。

いざ手術となると、夫人は一刻の猶予もない容体であるのにも拘わらず、施術のための麻酔薬を拒否します。

周りの人々は、娘を連れてくるなど翻意を促しますが夫人は聞きません。理由を問えば、

「麻酔を受けるとずっと隠してきた秘密を話してしまうかもしれないから嫌だ」

と夫人は話すのです。

そして、麻酔なしの状態で手術を受けることを望むの思いを受け入れた高峰は、そのまま手術を開始します

メスが夫人の肌を切り、それがもう骨にも達そうとするころになり、夫人が声を上げるのです。

「痛みますか」と聞く高峰に対し、夫人は「いいえ、あなただから。でも、あなたは私を知らないでしょう」そう答えます。

そして高峰の持つメスで、自ら心臓を掻き切って死ぬのです。

そして高峰はただ一言。

「忘れません」

そしてここで、「私」が9年前の回想を始めます。

かつて植物園を高峰と散策していた日のことでした。ふたりは、貴族の娘の集団とすれ違います。

そして丘の上で高峰は言うのでした。「彼女こそ真の美の人だ」と。

そして物語は終わります。

ふたりが同じ日に前後して亡くなった、つまり高峰が夫人を追って死を選んだことを告げて。

そしてこの二人が天国へ行くことはできないのだろうかという問いかけを残して。

『外科室』感想

初めての泉鏡花作品であり、文語体の文章だったため最初は戸惑いましたが、すぐになれました。

そして、描写の美しさに鳥肌が立ちました

特に色についての記述は、その瞬間が鮮やかに思い描かれるほど巧みで、言葉の持つ力のすごさを目の当たりにしました。

ああああああこんな恋に憧れるよねええええ!!!

『外科室』考察

命をかけられるほどの恋

この物語は、9年前にすれ違ったときに互いに一目ぼれした男女が外科室で再会するというお話です。

命をかけることの出来るほどあつい想い。それに、この短編小説を通して触れることができます。

高峰は、一目惚れの瞬間以来ほかの女性に見向きをすることもなく、医師という高ステータスながら独身を守ってきました。

夫人は、自分の生まれの都合から伯爵夫人となるほかはなかったのでしょうが、ずっとあの日の恋を胸に秘めてきたのでした。

そして、互いが互いの気持ちを知ることができぬまま9年が過ぎ、外科室で再会することとなったのです。

当然、お互いすぐに気づいたことでしょう。

そして、夫人は死をもって高峰の記憶に残ろうと、そして、高峰の手で命を終えようと、メスで自分の胸を掻き切るのです

そして、それにこたえるように「忘れません」とつぶやいた高峰は、その日に命を絶ったのでした。

この人の手で命を終えたい、このひとと一緒に死にたい。

そんな風に思えるような恋を、あなたはしたことがありますか。

おわりに

いかがでしたか。

燃えるような恋という言葉がぴったりの、すてきな小説です。

ストーリーだけではなく、文体もまたたまらなく上品で楽しめること間違いありません!

ぜひぜひ、みなさんの感想も教えてくださいね!

シェアやコメントお待ちしております!それでは!

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