イプセン『ヘッダ・ガーブレル』あらすじと考察 その死の理由は

イプセン

みなさんお久ぶりです。

GWはいかがお過ごしでしたか。ぼくは京都へ、『燃えよ剣』の舞台を見て回りに行ってきました。

さて、きょう紹介するのはこちら!

ノルウェー人劇作家イプセンの『ヘッダ・ガーブレル』です!(またイプセンかよ

ひとことでいえば、たいして愛してもいない男と結婚したお嬢様がかつて愛した男と再会し、ひとびとの人生を揺さぶっていく物語。

『幽霊』に並ぶほど、大好きな作品です。それでは早速参りましょう!

『ヘッダ・ガーブレル』の登場人物やあらすじ、内容は?

登場人物

主人公 ヘッダ

美人です。ガーブレル将軍の娘、つまりお嬢様です。

サバサバしていて強そうでありながら臆病、プライドは高く嫉妬深い、そんな性格です。

愛してもいない夫イェルゲン・テスマンとの5か月にわたる新婚旅行から帰国し、大きなお屋敷に住み始めます。その新婚旅行も退屈だった様子…

イェルゲン・テスマン

ヘッダの夫です。金持ちの息子ですが、将軍の家に比べれば位は落ちます。

海外で博士号を取得し、教授としてのポストをつかみ取らんとしているところです。

新婚旅行中も自身の研究の資料に読みふける熱心さ。

ヘッダには「真面目」と評価されます。いい意味か悪い意味か…

エイレルト・レェーヴボルグ

こちらも学者です。ヘッダの元カレ。まだ忘れられない様子。

本を出し、評価を高めます。エルヴステード家で家庭教師をしていましたが、ヘッダたちの住む街へ出てきました。

新しい本を練り上げており、イェルゲンがねらう教授のポストを脅かすことに…

かつては酒乱でしたが、それももう治った様子。

エルヴステード夫人

家庭教師として招かれたエルヴステード氏のもと、当時の夫人の死を機に家事をもすることとなり流れで結婚。夫を愛しているはずもなく、エイレルトを愛しています。

彼の本の執筆を手伝っています。

エイレルトを探しにこちらも街へ出てきました。

ヘッダとは学生時代の友人。

ブラック判事

イェルゲンの家の買い付けなどに手を貸してくれます。

ヘッダのことが好きだが、三角関係を快いと楽しみ、何も行動は起こしません。

あらすじ、内容

ここからはネタバレを含みます

新婚旅行から帰ってきたイェルゲンは、出発前にめどの付いていた大学教授のポストをめぐり、エイレルトと競わなくてはならないことを知ります。

しかし、エイレルトはイェルゲンに、自分はそのポストに興味がないことを告げます。安心したイェルゲンは、自分が誘われているパーティーにエイレルトを誘います。

エイレルトは断りますが、エルヴステード夫人が自分を家に連れ戻しに来たのだと勘違いし、裏切られた気持ちになりパーティーへ向かいます。

ヘッダと夫人は、イェルゲン宅で待つことに。

かつて酒乱として知られたエイレルト。事件が起きないはずはありません。

なんと、構想していた新しい本の原稿を落としてしまうのです。

その原稿を、少し後ろを歩いていたイェルゲンが拾います。それを知らないエイレルトは、盗まれたと思って会場へ戻って大暴れ。

駆け付けた警察官までも殴ってしまいます。

原稿を持ったまま帰宅したイェルゲンは、それをヘッダに渡し、伯母の葬儀へ。ヘッダはそれを隠し、燃やしてしまいます。

エイレルトもイェルゲン宅に帰ってきますが、ヘッダはそのありかを明かしません。

その原稿を二人三脚で完成させたエルヴステード夫人に、エイレルトは別れを告げます。

そして家を出る際、ヘッダから餞別にと将軍のピストンをもらいます。

ひと思いに、勇敢に死ぬことを約束し、彼は去っていきます。

しばらくすると、ブラック判事からエイレルトの死を伝えられます。

自殺したものと考えたヘッダは、その行為を勇敢で美しいとほめたたえます。

しかし、死因は自殺ではなく事故か他殺。警察はピストルの渡し主を探しているといいます。

ブラック判事は、ヘッダのピストルであると知っている唯一の人間であり、それを伝えるつもりはないといいます。

しかし、その結果ブラック判事の思い通りに動かなくてはならないことを嫌ったヘッダは、自殺を選ぶのでした…

『ヘッダ・ガーブレル』の感想は?どうだった?

もう好きです。好きすぎます。

ヘッダが魅力的すぎるのです。

もう本当に、みなさまどうか読んでみて、彼女に恋してみてください。

『ヘッダ・ガーブレル』読んで何を思った?考察は?

ヘッダはなぜ自殺したのか

ヘッダは最後に自殺することとなります。

その理由はずばり、自分の意思を大切にしていたからではないでしょうか。

エイレルトが自殺したと思い込むシーンでは、それを勇敢で美しいものと讃えます。

しかしそれが自殺ではなかったと知ると、下卑たものだという評価を下しています。

ここから、ヘッダは死に価値をおいているというよりも、自分の意思を伴った選択に価値を見出しているのではないでしょうか。

作中、彼女は誰かの人生を左右するようなことをしてみたいと語ります。

自分の思い通りになることを望んだ彼女が、ブラック判事の言いなりにならざるを得ない状況に陥ったのです。

最も大切にしている「自分の意思」がないがしろにされる前に、彼女は自分の最後の選択として自殺を選んだのではないでしょうか。

なぜ『ヘッダ・ガーブレル』なのか

この作品の題名は『ヘッダ・ガーブレル』ですが、物語が始まる段階ですでにヘッダはイェルゲンと結婚しており、名前は「ヘッダ・テスマン」であるはずです。

なぜ『ヘッダ・テスマン』ではなく『ヘッダ・ガーブレル』なのか。

「テスマンの妻」ヘッダではなく「ガーブレル将軍の子」ヘッダをイプセンは描こうとしたからではないでしょうか。

ひとりの男を愛するはずの妻としてではなく、ひとりの人間の姿として恋多き、嫉妬深いヘッダを描き出しているように感じます。

おわりに

いかがでしたか。

このところすっかりイプセンにはまっていますが、まだまだ理解するには自分が浅すぎるように感じています。

みなさまがこの作品を読んで何を感じ、考えたのか。是非お聞かせくださいな!

さて、次は何を読もうか。

シェアやコメントお待ちしております!それでは!

コメント

  1. […] […]