小林多喜二『蟹工船』あらすじ感想 その闘争の果てに我々は何をみる

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みなさんお久しぶりです!!スウェーデンではもう日がだいぶ短くなり、15:30にはもう暗くなってしまいます。

どんどん長くなっていく夜にお届けするのはこちら!

小林多喜二『蟹工船』です!!!!!!!

プロレタリア文学といえばこの作品!というイメージがあるのではないでしょうか。

ひとことで言えば、資本家の利益追求のために厳しい環境で酷使される蟹工船の乗り組み員たちが、その一方的な暴力に立ち向かおうとする物語。

きっと忘れてはならない、そんな経験の出来る作品です。

(いままで小林多喜二読んだことがなかったのは秘密やで)

それでは早速参りましょう!

『蟹工船』登場人物、あらすじ、内容

登場人物

漁夫、雑夫ら

貧困層です。蟹工船に乗り込み、カムチャッカを目指します。

東北地方、北海道の各地から季節雇いで集められた彼らが物語の主人公です。

浅川監督

漁夫たちを酷使する監督です。

彼らを人間扱いせず、とにかく会社の利益を目指して無理な労働を強います。

あらすじ、内容

寒く厳しい航海へ、その蟹工船は旅立ちます。

多くの漁夫や雑夫たち、そして数少ない金持ち層として浅川監督らを乗せて。

あまりに厳しい労働環境に、漁夫たちは疲弊していきます。さらに、食事や寝る場所も不満足なもので、病気になるものも多くなってきます。

それでも浅川は彼らを酷使し、働けないもの殴ったり、本船に戻れなくなった乗り組み委員を平気で見捨てて殺したりしていきます。

自分と同じ境遇の仲間がどんどん殺されていくのをみた漁夫たちは、激しく憤ります。そして、偶然ロシア領内に漂流した漁船の乗り組み員たちは「プロレタリア」としての権利と誇りを自覚し、本船に戻ってそれを広めます。

そしてどんどんひどくなっていく浅川の横暴に、ついに彼らはストライキを起こして立ち上がることを決意したのでした…!!

『蟹工船』感想

資本主義の波が大きくうねりを伴って日本を覆った時代、数少ないお金持ちのために大勢が苦しめられていた様子がはっきりと描かれています。

そして、新しい思想との出会いと心に積もっていた疑問や怒りが、漁夫たちに行動を起こさせます。

今では当たり前(であるべき)被雇用者の権利をめぐる闘争。知らなかった、忘れていたでは済まされようもない、我々の大切な歴史を経験できる。そんな作品に感じます。

『蟹工船』考察

苦しみの連鎖の中から脱出する、その力は

ただ搾取され続け、そこから抜け出すための資金も得られない層。

彼らが新しい思想と出会い社会のゆがみに気づいたとき、最初に選んだ手段は暴力でした。

自分たちがされてきたように、暴力をもって主張を認めさせようとしたのです。しかし、それは資本家に飼いならされた海軍によって失敗に終わり、全員でのストライキをくわだてることとなるのでした。

憎しみが憎しみを産み、得をするのはその場にいない資本家だけ。

そして、虐げてきた側と同じ手法でそこから脱却を図った際、失敗に終わるのです。そして成功したのは、相手を傷つける作戦ではなく、何もしないことを通しての抵抗でした。

もし前者が成功していたら、今という世界はどうなっていたことでしょう。

どんな時代も我々人類は、失敗を繰り返し、苦しみの果てに解決策を見つけてきたのかもしれません。

そして、その歴史に敬意をもってこれからを生きていく必要があるのかもしれません。

おわりに

いかがでしたか。

この世界が、これまで紡がれてきた歴史の結果であると改めて考えさせられる小説でした。

みなさんがこの作品をどう読んだのか、何を考えたのか、ぜひ教えてください!

シェアやコメントお待ちしております!

それでは!

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