カポーティ『草の竪琴』あらすじと考察 閉じた環の連続である人生のなかで 

海外の作品

みなさんこんにちは!お久しぶりです。

いよいよホットコーヒーを飲むのが辛くなるほど暑くなってきましたね。

さて、きょう紹介するのはこちら!

トルーマン・カポーティ『草の竪琴』です!

『ティファニーで朝食を』で有名なカポーティの作品です。恥ずかしながらぼくはまだティファニーで朝食を食べたことがないので、『草の竪琴』でカポーティデビューです。

ひとことでいえば、両親と死別した少年のある夏の思い出を主人公が回想していく物語

社会からのはみ出し者たちが「木の家」で出会うとき、彼らは何を思い、どこへ向かうのか…

カポーティが評価されるのも納得の、魅力的な作品です。それでは早速参りましょう!

『草の竪琴』の登場人物やあらすじ、内容は?

登場人物

主人公 コリン

11歳の時に母親を亡くし、ドリーとヴェリーナの姉妹のもとへ預けられます。その後すぐに父親も失います。

彼が16歳のころの夏、ドリーらとともに家を出て森のなかの木の上の家で過ごした日々を改装します。

ドリー・タルボー

その夏、彼女は60歳です。

ジプシーに教わった水腫薬を売ってささやかな収入を得ながら暮らしています。ジプシーとの約束を守り、その作り方は誰にも明かしません。

内気でおどおどした性格で、妹ヴェリーナのお荷物として世間から見られています。

ヴェリーナ・タルボー

ドリーの妹です。姉のドリーとは対照に、溌溂とした敏腕の資産家です。様々な事業を手掛けています。世間からは尊敬される存在です。

姉の水腫薬で一儲けしようと考えています。

かつて女性に恋をした過去も。

キャサリン

ドリーたちの家に住む黒人女性。

ドリーと同い年ほどで、親友です。自分をインディアンだといい、その風習を実践しています。

口が悪いです。

ライリー

コリンの憧れの存在。ふたつ年上の彼のようになりたいといつもうらやんでいます。

クール判事

判事でありながら、例外や相違を認めない法律に疑問を抱きながら仕事をしてきたベテランです。

あらすじ、内容

姉のドリーの水腫薬を工業化し、一儲けしようと考えるヴェリーナに対し、ドリーはきっぱりと断り、家を出ることを決めます。

親友のキャサリン、そしてコリンを連れて、森の中にある木の上の家で暮らし始めます。

そこへ猟をしていたライリーが訪れます。

そのころ街では、ドリーたちがいなくなったと大騒ぎ。保安官や判事たちによる捜索隊が、彼女たちを探し始めます。事情を知らないライリーによって、3人の居場所は簡単にばれてしまいます。

捜索隊が木の家までやってきますが、彼らは帰ることを受け入れません。その中で、捜索隊の中からクール判事が仲間になり、ライリーも仲間になります。

そのごたごたの中で相手にけがをさせたとしてキャサリンか逮捕されたり、クール判事がドリーに求婚したりと色々なことが起こります。

そしていよいよ最後の決戦のとき。新たに仲間になった、新興宗教のようなシスター・アイダ一家とも協力し、捜索隊を迎え撃ちます。

そこで、銃の暴発が起きてしまいます。

弾は、ライリーの肩へ。その血によって戦いは終結、姉妹は話し合い、家に戻ります。

回想が終わって現在に戻ってくると、当時とは全く変わってしまった世の様子が描かれます。

コリンが思いを寄せていた女の子の今の恋人がライリーであることなどなど…

そしてコリンは言うのです。人生はらせん状ではなく、閉じた環の連続であると。

『草の竪琴』の感想は?どうだった?

14歳のあの夏に戻りたくなる、そんな作品です。

子供と大人の境目のあのころの、あの夏です。

普段は心の奥底に眠っている、あの頃の思い出を掘り出してくれました。おすすめです!

『草の竪琴』考察は?何を思った?

人生は閉じた環の連続である

この作品で木の上の家に集まるのは、みんな社会からのはみ出し者という印象を受けます。

例外や、普通でないことを拒む社会や現実と、少年の日の幻想が対立して描かれているように感じます。

しかし、それも事件が終わってしまえば5人はそれとは関係なく人生を送り始めます。ドリーの死や、ライリーとの疎遠などを経て、コリンは跳躍してそれまでの環から次の環へ移り、大学へ進学します。

翻って自分の人生を見てみれば、価値観や世界観は少しずつ変化してきたのではなく、ある大きく重要なきっかけを経て、がらりと音を立てて変化を繰り返してきたように思います。

そして一度次の環へ跳躍してしまえば、以前夢中になっていたことをどこか客観視し、全く別の今を生きている。そんな気がします。

この作品を読んで、忘れていたあの夏の記憶を、感覚を、感情を、もう一度味わいたく、恋しいものに感じました。

おわりに

いかがでしたか。

誰にも忘れられない、少年のころ、少女のころの夏の思い出があると思います。

たまには心の奥から引っ張り出して、ほこりを払ってあげたいですね。

みなさんはどんな感想を持ったのか聞いてみたい作品です!是非聞かせてくださいね!

シェアやコメントお待ちしております!それでは!

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