浅田次郎『壬生義士伝』感想考察あらすじ 義を貫いた最後の侍

小説

こんにちは!きょうからいよいよ実際に紹介を始めていきます!

最初の作品はこちら!浅田次郎先生の『壬生義士伝』です!

第13回柴田錬三郎賞を受賞し、映画化やテレビドラマ化、漫画化もされている人気作品ですね。5月から宝塚歌劇団でも上演されることになっています!

ひとことでいえばひとりの新撰組隊士を追う物語です。じつはこれ、ぼくの座右の書ともいうべき作品なのです。

ぼくはこの作品に出会ってから読書にのめりこみました、、、

それでは早速参りましょう!

『壬生義士伝』の登場人物やあらすじ、内容は?

主人公 吉村貫一郎

時は幕末。新撰組隊士です。今の岩手県のあたりに存在した南部藩を脱藩し、新撰組へ。

貧しい家の生まれながらも剣を持たせれば北辰一刀流免許皆伝、筆を持たせれば教師を務めるほどの博学。朴訥な性格ではあるが、侍たちからは「人斬り寛一」と恐れられるほどの剣客です。

しかし彼にはとんでもない欠点がありました。

侍らしからぬケチで金にがめつい性格…

立派な侍としての顔と、侍とは決して言えないような顔の両方を持ち合わせる貫一郎…

そんな彼が鳥羽伏見の戦いののちに、脱藩したはずの南部藩大坂蔵屋敷へと満身創痍、這う這うの体で現れます。

新撰組隊士たち 近藤勇、土方歳三ら

新撰組といえばこの人!という侍たちも登場します。

新撰組隊士についての詳しい紹介は熱心なファンの方々に譲ります(笑)

剛毅朴訥の四文字の似合う、絵にかいたような剣客近藤勇。頭の切れ味鋭い土方歳三。それぞれがそれぞれの格好良さでぼくの心をくすぐります。

あらすじ、内容

天皇の選んだ薩長にくだるのか、それとも江戸の260年間食い扶持を保証してくれた徳川家への義を貫くのか。そんな時代の物語。

脱藩という禁忌を犯しながら南部藩の蔵屋敷に戻ってきた貫一郎に対し、蔵屋敷差配役の大野次郎衛門が雪の降る中冷たく切腹を命じるところから物語は始まります。

時はくだり、大正。ひとりの記者が、吉村貫一郎の生涯について調べ始めます。

記者が訪う数人の語りによって、貫一郎の生きざまが明らかになっていきます。

  • 貫一郎が脱藩した経緯や理由は?
  • ケチで卑しい性格の理由は?
  • 最後まで徳川家につくことを選んだ理由は?
  • 「義」とはなにか?
  • 彼の死に様は?

坂本龍馬の暗殺や、近藤勇のスパイ作戦。様々な出来事を通して、少しずつ貫一郎の考え方が提示されていきます。

その性格から時に誤解されながらも、徳川家への義を貫くことを決め、錦の旗に弓を引いた男の物語です!

などなど注目点は満載です。貫一郎が剣でなぎ倒していくシーンも圧巻です。

ちなみに、坂本龍馬を暗殺したのが誰か、という議論にも踏み込んだ場面も登場します。注目ですね!

『壬生義士伝』感想は?どうだった?

単刀直入に言います。

号泣しました

最後の方なんて涙で文字が見えなくなります。やはり浅田次郎先生、平成の泣かせ家の異名は伊達じゃないです。

貫一郎の生きざま格好よすぎ、貫一郎の奥さん可愛すぎ。貫一郎の息子にも惚れちゃう!坂本龍馬殺したのこの人なのかあ⁈

大学に入って19歳になったばかりの春。ぼくは多くを語らぬ壬生の義士吉村貫一郎の背中を追いかけて生きていこうと決めました

『壬生義士伝』読んで何を思った?考察は?

ここからはだいぶネタバレチックになってきます。注意してくださーい。

最後の「侍」吉村貫一郎

低い身分の家に生まれ、学問がよくできても剣がうまくても、なかなかお金が稼げない。

侍とは妻子、さらには百姓を安んずるものであるべきという信念に生きた吉村貫一郎。

ここに「義」とはなにかの答えがあるのではないでしょうか。

周りに揶揄されようが摂生に努め故郷の妻のもとへお金を送る。百姓たちの暮らしを顧みずに行われる戦に、ひとり義をもって立ち向かうその姿は涙を誘います。

鳥羽伏見の戦いでの彼の後ろ姿には震えました。

佐幕≠反天皇

幕府側について天皇家の旗に弓を引くこととなった貫一郎ですが、だからといって天皇家に反発していたわけではありません。

彼にも、また薩長の側にもそれぞれの義があり、信念があり、どちらも目指すところは民の喜びという点で同じだったのではないでしょうか。

読後の変化

勝てば官軍負ければ賊軍

この作品を読んで、敵も味方もそれぞれの正義のために戦っているのだということを意識するようになりました。

歴史にしてもなににしても、勝ったほうが称賛され、負けたほうは悪とみなされがちですが、結果だけではなく、それぞれの戦わねばならなかった理由にまで目を向けることの大切さ、面白さを教えてくれる作品です。

そして、小説がひとを泣かせ、価値観にまで影響を与えるほどの力を持ち得るということもぼくに教えてくれた作品です。

『壬生義士伝』のおすすめ度は?

ずばりおすすめ度は…4.5

4.5/5点です!いきなり高得点が出ましたね~(笑)座右の書なので許してちょんまげ。

それでは得点の内訳を確認していきましょう!(それぞれの項目0,0.5,1点のいづれかで評価。詳細はこちら https://tacksamycket.com/first-posting/

価値観に影響、刺激をもたらしてくれるか

これは文句なしに1ポイント獲得としました。

考察欄に書いたように、ぼくの世界観までも変えてくれた作品です。そして、読書に時間を使うきっかけとなってくれた作品です。

知識を与えてくれるか

ここも1ポイントです!

この作品では、幕末という特殊な時代における武士たちの考え方や思考回路が理解できます。

さらに、奥羽列藩同盟について、また戊辰戦争における各藩の利害関係についても扱われています。この小説は、読者に面白み以外にも知識を与えてくれます!

展開や構成が、読んでいて面白いものか

ここも1ポイントとしました。

少しずつ貫一郎について明らかになっていく点や、様々な事件や戦いを通して彼の人生が描かれていくというのはとても面白く読めました。

初めは印象のよくない貫一郎ですが、気づけば彼の大ファンになっていました。しっかり最後は泣かせてくれます。

その本独自の新しさを持っているか

ここを0.5ポイントとしました。

主人公である貫一郎のキャラクターや、坂本龍馬を暗殺したひとについての浅田次郎先生なりの解釈など、驚きながら読むことができました。

ただ、インタビューに答える人々の語りで小説が進んでいくというやり方が、ほかの浅田次郎作品にもよく見られる(『黒書院の六兵衛』や『長く高い壁』などなど)ので、その点「その本独自」とはみなせず、恐れ多くも0.5ポイントとしました。

著者のほかの作品を読みたくなるか

ここは1ポイントです。

実際にぼくはこの作品に出会って以来浅田次郎作品を何作か読んでいるので1ポイントとしました。

ここに関しては好みの影響が出ているかもしれませんが、ぼくはこの作品のもつメッセージにも、主人公の格好良さにも心を奪われ、それから浅田次郎作品を好んで読むようになりました。

『論語』をはじめとした中国の古典からとられる堅い印象の言葉選びもぼくの心をくすぐります!

ということで、合計スコア4.5点となりました!

おわりに

いかがでしたか。

ネタバレに気を付けるあまり、なかなか魅力が伝わっていないのではないかと危惧していますが、これだけはお伝えします。

絶対にハンカチを用意してから読んでください!!!

余談ですが…

ちなみにぼくは、昨夏のロシアW杯、日本代表対ポーランド代表の試合をみながら吉村貫一郎を思い出しました。グループリーグ突破を目前にして時間を稼ぐ選択をした日本代表。

彼らは見苦しいと批判されることを覚悟したうえで、見事グループリーグを突破し、日の丸を背負って戦う者に課された「勝利」という使命を果ました。

侍は、負けたら次がありません。斬られて死んでしまっては何もできません。日本代表も、負けたら終わりという厳しい場所で戦っていました。まさに”サムライ”ブルーです。

サムライブルーが負けない=死なないという選択をし、結果を残したことが吉村貫一郎の背中と重なって見えましたとさ。だからぼくは、もう半年前の議論ですが、日本代表の選択は正しかったとそういいたいわけです。

とまあここまで考えさせてくれる『壬生義士伝』是非読んでみてくださいね!

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コメント

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