『ミレニアム1ドラゴン・タトゥーの女』あらすじと考察 スウェーデン発、最強のミステリー

小説

今日もお寒うございますな。こんな日にはこたつで読書に限りますね。

きょう紹介するのはこちら!

スウェーデン人Stieg Larsson著『ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女』 です!

ハリウッドでも映画化されたミステリー作品です。知っている人も多いことと思います。

舞台はスウェーデン。ひとことでいえば、雑誌編集者と天才ハッカーが大金持ち一族の少女の行方不明事件を調査する物語です。

ところで、原作の副題は「ドラゴン・タトゥーの女」ではないことはご存知でしょうか?

“Män som hatar kvinnor”

スウェーデン語で書かれたこの副題も、重要な意味を持ちように感じます。考察の欄を要チェックや!!

それでは早速参りましょう!

『ミレニアム1ドラゴンタトゥーの女』の登場人物やあらすじ、内容は?

登場人物

主人公 ミカエル・ブルムクヴィスト

ジャーナリストです。雑誌『ミレニアム』の責任者。独身男性です。

大物実業家ヴェンネルストレムの闇を報道したが、名誉毀損の有罪判決を受けてしまいます。

そこへ大企業グループの前会長ヘンリック・ヴァンゲルから、36年前に失踪した一族の若い娘ハリエットの調査を依頼されます。

ヘンリックは一族の誰かが彼女を殺したと考えていて、事件を解決すればヴェンネルストレムを破滅に追い込める証拠の提供すると約束。

ミカエルはそれを受け入れ、後述のリスベットとともに、事件の解明を目指して調査を始めます。

若くはないのにまあ女性にモテることモテること。

リスベット・サランデル

天才ハッカー。若くて小柄な女性です。

人間関係に難があるものの頭脳明晰で、ミカエルを助けます。

ヘンリック・ヴァンゲルの依頼を受けて、ミカエルの身元調査を行い、信用のおける人物と評価します。ヴァンゲルはこの報告を受けてミカエルに仕事の依頼をすることとなります。

ピアスが顔のいたるところにささっていて、着る服や髪型はパンクロッカーのよう。そして背中には大きなドラゴンのタトゥー。英題や邦題はここからとったものですね。

自身の父親を焼き殺そうとしたことがあり、そのせいで後見人の弁護士をつけられています。

精神病院や家庭で虐待を受けていた過去もあります…

1,2,3巻と読み進めるにしたがって彼女の複雑な過去も併せて明らかになっていきます。

ヴァンゲル家のひとびと

かなり多くのヴァンゲル家のひとびとが登場します。

それぞれに様々な思惑や感情があり、家族とはいえまとまっているわけではありません。

失踪したハリエットは現会長のマルティンの妹で、父親(すでに死亡)はネオナチのゴットフリートです。

あらすじ、内容

ミステリー作品なのでほどほどにしておきます。

調査を始めたミカエルですが、なかなか捗りません。

ハリエットが失踪した日に街のパレードを見に行っていたこと。失踪したハリエットの日記に書かれた謎のイニシャルと数字。

これらを手掛かりに調べますがうまくいきません。

そのころリスベットは、新しいコンピュータを買うためのお金を受け取るために後見弁護人のもとを訪れます。

以前の優しかった後見人は彼女に自分のお金を自由に使わせていましたが、新しい後見人はそれを認めず、さらに従順でないリスベットに性的虐待を加えます。

しかしリスベットは、それで黙るような女ではありません。その様子を隠し撮りして証拠となして脅し、新しい後見人から自由を勝ち取ります。

そうしてミカエルのパソコンにハッキングして情報を読んでいたリスベット。そのことに気づいたミカエルは彼女に協力を頼みます。

リスベットはハリエットの日記の日記に書かれた人物を、警察のデータにハッキングして特定します。そして誰もがユダヤ人で、惨殺されているという共通点に気づきます…

この辺でやめておきます(笑)ミステリーものはあらすじを書くのが難しいです…

『ミレニアム1ドラゴン・タトゥーの女』の感想は?どうだった?

普段ミステリーは読まないぼくですが、面白くて続きが気になり一気読みしてしまいました。

欧州各国で絶賛されてようやく日本語に訳されただけあります。

政治的な思想や宗教の話も複雑に絡み合っていて、こういった話題があまり好まれない日本という国のからは感じないような雰囲気を持っています。

移民や性犯罪をはじめとしたスウェーデンにおける問題点も描かれていて、はるか北欧の現代社会をのぞき込める作品です。

そして何よりリスベットが魅力的です!

後見弁護人への復讐シーンにはスカッとしますし、物言いすべてに煙草が似合う。そんな彼女が極々まれにかわいさを見せるのでぼくはもうだめです惚れました

『ミレニアム1ドラゴン・タトゥーの女』読んで何を思った?感想は?

ここからはネタバレを含むことがあります。注意してくださーい。

原作副題 “män som hatar kvinnor”の意味

この作品のテーマを考えるにあたって最も重要なのがこの原作スウェーデン語版のサブタイトル “män som hatar kvinnor” でしょう。

もちろんこれ、「ドラゴン・タトゥーの女」なんて意味ではないんです!

実はスウェーデン語を多少かじっているぼくが和訳すれば、「女性を憎む男達」となります。

この副題を通して作品をみてみれば果たして、女性を虐げる男たちが多く描かれており(後見弁護人やゴットフリート、マルティン父子など)、それをリスベットが成敗するという内容になっています。

また、リスベットには女性の性パートナーがおり、いい顔をしないひとも多く登場してします。

日本のジェンダーギャップ指数が高いという話題のときに比較され、男女平等と評価を受けているスウェーデンですが、まだまだ問題は隠れているといったところでしょうか。

女性への暴力や性差別が色濃く、これこそがテーマだと感じました。

作品に描かれている、男女平等と名高いスウェーデンの実情

先にも述べたように、日本においてスウェーデンはじめ北欧の国々は男女平等のイメージが強いことと思います。

事実、2014年には12人の大臣のうち半数を占める6人が女性であったり、2009年には婚姻法が改正されて同性婚が認められたりと性に縛られない社会づくりが行われています。

また、人称代名詞(英語におけるHEやSHEなど)には男性のHAN、女性のHONに加えて男女かかわりなく使えるHENが登場し、平等が進んでいます。

しかし、この作品にはそんなスウェーデンの闇がくっきりと描かれています。

男女平等ば社会を目指す日本ですが、遠くから目に入る好ましい情報だけでなく、買春や差別を含めた暗い部分へ目を向けることが大事なのではないかと感じました。

『ミレニアム1ドラゴン・タトゥーの女』のおすすめ度は?

ずばりおすすめ度は…

4.5

4.5/5点です!今回も高得点ですね(笑)

それでは内訳をみていきましょう!
(それぞれの項目を0、0.5、1のいづれかで採点。詳細はこちらhttps://tacksamycket.com/first-posting/

価値観に影響、刺激をもたらしてくれるか

こちらは0.5ポイントとしました。

スウェーデンに対するステレオタイプがはるかバルト海の底へと沈みました。

ただ、スウェーデンの見方は変わったものの、人生がどうなるというタイプの作品ではないので0.5ポイントとしました。

知識を与えてくれるか

ここは迷わず1点です。

スウェーデンの制度や闇の部分など、日本にいては感じることもできないことを体験することができました

展開や構成が、読んでいて面白いものか

ここも1ポイントです。言わずもがなでしょう。

謎を追っていく過程で様々なことが明らかになっていき、続きが気になって眠れなくなります。

しかも、ただ謎を解くだけではなくリスベットの復讐シーンや、緊張感のある狙撃されるシーンなど手に汗握るシーンもあり、わくわくがとまりません!

その本独自の新しさを持っているか

1ポイントです。

スウェーデン文学があまり浸透していない日本において、スウェーデンの闇を描いている邦訳書はそれだけで新しく感じられます。

また、主人公のリスベットの強烈なキャラクターも個性的です!

著者のほかの作品を読みたくなるか

1ポイントとしました。

現代スウェーデン社会の闇を描くStieg Larsson は、ぼくの知らないスウェーデンを見せてくれました。

さらに、リスベットも好きすぎるのでもっと続きを読みたい!という恋の病を患ったので1ポイント不可避でした。

しかし彼は『ミレニアム』を第三巻まで書き上げた後に出版を待たず亡くなっているので、彼の描くリスベットにはもう会えません…(ただしDavid Lagercrantz によって4,5,6巻も制作されています)

おわりに

いかがでしたか。

現代スウェーデンを舞台に展開される『ミレニアム』シリーズの第一巻を紹介しました。

世界中の言葉に翻訳された世界的なベストセラーです。是非チェックしてみてください。

ちなみに、著者 Stieg Larsson は日本語でスティーグ・ラーソンとして出版、紹介されていますがスウェーデン語での発音はラーションです。

外国の名前を日本語で表記するのは難しいですが、ひとの名前はできるだけ忠実に表現するのが礼儀ではないかと考え、あえて主張します。

スウェーデンといえばノーベル賞ですが、Alfred Nobelもノーベルではなくノベルと短母音で発音します。

それはさておき、著者は出版を前に亡くなっているわけですが、出版されたら不都合な勢力に暗殺されたのでは…などと考えてしまいます。まあおそらくぼくの妄想にすぎませんが(笑)

大相撲の八百長を知らしめた『八百長』を書いた元大鳴門親方とその後援者は、なんと同じ日に、同じ病院で、同じ原因で亡くなっていますし、これとあわせて変な想像をせざるを得ません。

と、いうことでミステリーが好きな方もそうでない方も、世界の流行りに遅れないよう是非読んでみてくださいね!

シェアやコメントお待ちしております!よろしくお願いします!

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