恩田陸『蜜蜂と遠雷』あらすじ感想 だれもがヒーローを待っている!

その他日本人作家

みなさんこんにちは!

きょうは、直木賞と本屋大賞を受賞し、映画化もされて話題になった恩田陸の『蜜蜂と遠雷』の読書感想文をお送りします!

ひとことで言えば、日本を舞台にしたピアノの国際コンクールで、4人のピアニストたちの才能がぶつかり合うお話。

あの日の汗にまみれた青春の日々がよみがえる!そんな作品です。

それでは早速参りましょう!

『蜜蜂と遠雷』登場人物とあらすじ

登場人物

栄伝亜夜

20歳の音大生。

小学生のころから神童として人気を博していたが、ある日コンサートをドタキャン。以来表舞台には姿を見せずに来ましたが、なんだかんだでコンクールに出場することに。

カザマ・ジン

全く経歴を持たずにオーディションへ現れた16歳の少年。

伝説の音楽家ホフマンの弟子だが、全く型にはまらない演奏をみせて審査員の間でも賛否両論。

不思議ちゃん、おっとりしている。

マサル・カルロス

19歳。混血で高身長イケメンの王子様タイプ。

王道をいくような演奏スタイル。優勝候補。

高島明石

28歳、今回のコンクールでは最年長。

妻子があり、働きながらピアノの練習をする。今回でコンクールは最後という想いで参加。

あらすじ

四つの才能が、それぞれの持ち味を発揮しながら互いを高め合っていく。

コンクールは第一~第三予選の後に本選。90名ほどが参加する予選から本選に進めるのはたった6名。誰が勝ち上がり、優勝するのか…!!

以上!!!

『蜜蜂と遠雷』感想

ヒーローの復活の物語

ヒーローは強くて、だれにも負けない。強大な敵にぶつかっても、驚異的なスピードで成長を見せて打ち破ってしまう…!

この作品では亜夜こそがそのヒーローとして描かれているように思います。持って生まれた圧倒的な才能、そして音楽を愛する心。

そんな彼女が表舞台から姿を消してからも、マサルや明石は彼女のうしろ姿を追ってきたように思います。圧倒的な才能の前に挫折を味わい、それでも努力でその差を縮めようとするのです。

そんな亜夜が久々にコンクールへ。ブランクのある彼女は、マサルや明石の演奏に心から感動し、吸収していきます。そして、自分をも超えた才能の持ち主であるカザマ・ジンと、ピアノの音色を通した会話。

自分がピアノを弾く必要があるのかという迷いを打ち破り、日に日に演奏が進化していきます。かつての神童がもう一度、大きな翼を人々に見せつけるのです。

このコンクールのあとも、彼女はそのピアノを通して新しい世界をぼくたちに提供してくれると信じてやみません。

だれもがきっと、「ヒーロー」が現れるのを待っている!

例えば、高校時代の部活動。

圧倒的な才能をもつライバルに嫉妬した経験はだれもがあるのではないでしょうか。それでもなんとか負けまいと頭を使い、努力を重ねる。

最後の戦いの時。自分の人生をぶつけるわけです。それでもそのライバルとの差は縮まるどころかますます広がっていく。

その中で、ヒーローはぼくだけでは決して見ることができない景色を見せてくれるのです。まるで亜夜がそうしたように、新しい世界を見せてくれる。

その敗北の後に残るのは、嫉妬ではなく憧れなのかもしれません。

自分が与えられなかったものをもつヒーローに自分の人生と想いを託すのです。それができなかったら、一生悲しいままですから。

ああ、ぼくはここまでしか飛べなかった。ここまで連れてきてくれてありがとう。きみはもっと高く飛んで、そこでしか見られない景色をその眼で確かめてくれ!!

だからきっと、与えられなかった側のぼくたちはヒーローを求め、応援してしまうのかもしれません。少し嫉妬しながらも。

おわりに

いかがでしたか。

ぼくはこの『蜜蜂と遠雷』に、自分の高校時代の青春を重ねながら読みました。

あの日のぼくが憧れたヒーローたち、いまどうしているかな。いつか彼らが、日の丸を背負ってオリンピックで活躍する姿をみられますように。

みなさんはこの作品をどう読み、どう感じましたか。シェアやコメントお待ちしております!

それでは!

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