みなさんこんにちは!お久しぶりです。
暑い日が続きますがいかがお過ごしでしょうか。まだ6月なのにエアコンフル稼働であります。
8月は一体どれはどの暑さになってしまうのでしょうか…
さて、きょう紹介するのはこちら!
鷲田清一著『想像のレッスン』です!!
2005年の単行本から14年が経ち、ちくまで文庫化された作品です。電車の待ち時間に入った本屋さんで目が合い、買ってしまいました(笑)
ひとことでいえば、いまここにある材料を手掛かりにしてここにはないものに想いを馳せるものである「アート」についての評論・エッセイ集です。
「アートとかいみわかんないし(笑)」と思って生きてきましたが、そんな自分が恥ずかしくなるような作品です(笑)
理解不能なものを頭ごなしに否定する「大人(笑)」になってしまう前にこの本に出会えてよかった!!!
それでは早速参りましょう!
『想像のレッスン』の内容は?
アートさんごめんなさい
正直にいうと、これまで「アート」というものがなにかはっきりとわからないままになんとなく「意識高そう(笑)」と距離をとって生きてきました。
なんとなく、「他と違う」ことだけに価値を見出すような、その程度の存在としてしか認識していませんでした。
何が描いてあるのかわからない絵や、不便そうな形をした建築物、社会の暗い面を映す映像作品などなど…
ぶっちゃけ、「おまえらなにわかった気になってごちゃごちゃ言ってんだよ!!難しい言葉ならべて、わかった風にしゃべってるだけだろ!!!!」とか思っていました。
ぼくの不勉強でした!!!!!すみませんでした!!!!!!!
というのが一番の感想です(笑)
そして今は思うのです。
アートとはここにないものを思う力である想像力、それを引き出してくれ、世界の閉塞を打ち破るきっかけとなりうるるものなのではないか…(ドヤ顔)(鷲田さんからの受け売りなのは秘密やで)

アートを通じて世界を見る
アートは、想像力を用いることでその向こうに世界を見せてくれるのではないでしょうか(芸術鑑賞歴0年のブログであることは極秘)
ぼくたちに世界を改めてみせてくれ、さらにそこからその世界を解き、編みなおし、変化していくそのきっかけとなってくれるのかもしれません。
鷲田さんは冒頭、詩人の長田弘の言葉を引用します。
- みえてはいるが誰れもみていないものをみえるようにするのが、詩だ
そしてこれを、いま自分が生きている時代を考えることの定義であるとし、話を進めていきます。
果たして我々は、世界が見えているのか。
身近な例を取り上げれば、介護や治療。
介護施設を使うことで、人間が老いたときどのようになるのか、どう介護をするのかを知らなくて済む。病院へいけば、自分がどういう状態なのかさほど知ることもなく、薬を飲めば体調は良くなる。
自分とは、人間とはどういう存在なのかに目を向ける必要がなくなり、自分自身すら見えにくくなっていきます。こうしていくうちに、知らぬ間に「視力」が落ちてきたというのです。
こうして、目に入ってはいるが見ていないものが多い世界。それを見せてくれるのがアートであるといいます。
鷲田さんはこの本の中で、様々なアート作品を取り上げ、そこから多くの物事に想いを馳せていきます。そのお話を聞きながら、読者はレッスンを受けていくのです。
想像力の持つ力
想像力は優しさの温床であり科学の源泉と言えるのかもしれません。
あいての心の内を想像し、行動すれば優しさとなる。ものが落ちたとき、そこに見えない何かを想像したときに科学が始まる。
こんな素敵な力を持つ想像力ですが、ぼくたちはそれすらも、少しずつ手放しているのかもしれません。
いまあのひとはどうしているかなあ…と思い焦がれる暇があれば電話やメールをしてしまえばいい。自力で不思議な冒険の妄想をせずともPS4の電源を入れてしまえば済む。
自動車の普及でそれまでよりも人間の脚力が落ちたように、想像力も弱くなりつつあると鷲田さんはいいます。
だって江戸時代に大阪から北海道まで歩いて移動したとかもうそれこそ想像できないもんね…
いまこそ我々は、想像力の持つ力を再認識し、多くの世界の切り取り方に触れていく必要があるのかもしれません。
おわりに
いかがでしたか。
正直これまで、アートというものを理解できないものとして敬遠してきました。もしかしたら下に見ていた部分もあるかもしれません。
しかし、自分が理解できないものを退けてしまっていては、せっかく「みえてはいるがみていないもの」が見えるようになりつつあるチャンスを失うことになりかねません。
自分に理解できないものを否定することしかできない「大人(笑)」になってしまわないように、今後は「想像のレッスン」を自分に課していこうと思えるようになった作品です。
みなさまぜひよんでみて感想お聞かせください!
シェアやコメントお待ちしております!それでは!
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