太宰治『斜陽』人間は恋と革命のために生まれる

その他日本人作家

みなさんこんにちは!

気が付けばもう12月でございます。今年もあっという間に過ぎた気がしますが、去年の今頃何をしていたか思い出せなかったりするので、やっぱり一年は長いのかもしれません。

さて、きょう扱うのはこちら!

太宰治『斜陽』です!!!!!!!!!!

『人間失格』と並んで人気の高い作品ですね。中学生のころにこの作品に挑戦して挫折した過去を持つ小生ですが、やはり人気のとおりおもしろい!

ひとことでいうと、戦後、ある元貴族の家庭の没落を描いた物語。病弱な母、離婚の過去をもつ娘、薬中毒の放蕩息子。それぞれの結末は必見です

それでは早速参りましょう!

『斜陽』登場人物、あらすじ、内容

登場人物

私、かず子

彼女の視点で物語が進んでいきます。29歳。

離婚、死産の過去を持ち、母親と伊豆で暮らしています。

かず子の母。

ものを手で食べるような奔放なふるまいをするが、それでも上品に見えてしまう「本物の貴族」と呼ばれる人。

直治

かず子の弟。

大学在学中に戦争へ召集され、以来消息なし。

文学少年で、ほぼ不良のような暮らしをしていたよう。

上原

東京に住む直治の師。

妻子持ち。

あらすじ、内容

かず子は、父の死後悪化した経済状況が原因で母親とともに東京から伊豆へ引っ越してきました。弟は戦争で南の島へ行ったまま消息知れず。

かず子は慣れない家事を、ボヤ騒ぎを起こしながらもなんとかこなして生活していきます。そこへ、弟の情報が入ってきます。

直治は無事生きていて、もうすぐ帰還するだろう。しかし、アヘン中毒になってしまっている。治してから帰ることだろう。

そんななか、貯金もいよいよ底をつきます。それでもなんとか着物などを売って生活していこう、そう決めたところへ、直治が帰ってきます。

遊びに出てばかりの直治、病気になってしまう母。このままでは自分の命が腐ってしまうと考えたかず子は、道徳革命と称したある選択をするのです…

『斜陽』感想、考察

ネタバレ注意!!!

人生は革命である

さて、この物語の結末は、こんな感じ。

かず子は東京で上原を探し出し、妻子持ちである彼の子供を宿すという願いをかなえます。そして、その後は上原も離れていき、忘れられていきますが、おなかの子供とふたりで強く生きていく決意するのでした。

一方直治は、遺書を残して自殺してしまいます。かず子が上原を探しに行っていたその日に。

遺書では、ひとには生きる権利があると同時に死ぬ権利もあると論じ、人間はみな同じものだという風潮に不快感を示してありました。

そして、姉のかず子だけに、自分の秘密の恋を明かします。人妻にかなわぬ恋をしてしまった彼は、その女性の影から逃れるように遊びまわるようになったのでした。そして、その逃避は、遊びでありながらも苦しかったといい、死を選ぶのでした

さて、どちらも家庭のあるひとに恋をしてしまったこのふたり。片方はその恋をかなえ、もうひとりは死を選ぶ結末となりました。

どこに差があったのか。それは、「革命」を起こす勇気だったのでしょう。

かず子は、すべてを破壊し、新しく作るものである革命を自らの中で起こします。「人間は恋と革命のために生まれる」と考える彼女は、ただ自分の恋をかなえるために戦ったのです。そして恋をかなえ、強く生きていく力を得ました。

直治はかなわぬ恋を前にし、逃げ出す選択をしました。そして苦しみ、死んでいきました。

破壊する勇気。それには大きな覚悟が必要なことでしょう。それでも、そのたったひとつの勇気が、ここまで結末を変え得る。

もちろん、直治の気持ちもわかりすぎるほどわかってしまう。何のために生まれて、なんのために死ぬのか。

今後の自分自身が、あなた自身が、どんな選択をし、生きていくのか。そんなことを考えるきっかけになってくれる作品でした。

おわりに

いかがでしたか。

小生の言葉なんぞ蛇足中の蛇足、この記事を書きながら恥ずかしくなるほど感動した作品です。

みなさんがどんな風にこの作品を読んだのか、ぜひ教えてください!

シェアやコメントお待ちしております!それでは!

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